エリポンの夢は、自然の観察家になることだ。

コロを連れたエリポン

コロを従えて浜へ

カワウとサギ

カワウを取り囲むサギたち

エリポンがどうしてこんなに生き物に興味を持ち始めたのか分からない。とにかく、一日中でも外に出て、梢や川面や砂浜で生き物を探したり、様子を観察していたいようだ。夏休みになって、家族六人でコロの散歩を輪番制にしたんだけれども、エリポンは毎朝コロを連れて浜や夙川沿いの遊歩道に出掛けていく。ちょっと熱中しすぎているようで心配だけれども、姉弟達はコロの散歩を代わってもらえるので助かっているようだ。

トウサンがコロの散歩当番の朝、やっぱりエリポンが行くと言いだしたので、一緒に出掛けることにした。家を出て、何処に向かうかはコロとエリポンが決める。夙川の西岸へ。浜に向かって歩いた。そろそろハゼが育つ時期で、朝早くから近所の人々が釣り糸を垂らしている。

堤防から川面を眺める。この時期は潮の干満のさが激しい。丁度引き潮の時間だったようだ。浅くなった川面から、大きなボラが行列を作って泳いでいた。今ごろは最も野鳥の種類が少ないようだ。真冬の時期に比べると、随分物足りない。ハトやスズメ、時々ツバメを見かける。浜ではカワウがどこからとも無くやってくる。そしてコサギ、ダイサギ、たまにアオサギ。後は子育ての終わったカルガモに、たまにウミネコを見かける程度。海鳥よりもムクドリやヒヨドリの方が目に付く。

近頃のエリポンのお気に入りは、カワウとサギの共同作戦だ。どうやら、カワウが数羽並んで野鳥を捕まえようとして川底に潜り、蹴散らされて逃げまどう小魚をサギが失敬するという、鳥たちの共同作業が見られる。一生懸命潜っているカワウの列を両側から挟むようにサギたちが長い足で付いて歩く。潜るカワウとおこぼれを狙うサギは意外に賢いというか狡いというか。

初めて見かけたときはびっくりしたけれど、どうやらこいつらは毎日これをやっているようです。カワウの方に得るものがあるのかどうか分かりません。エリポンは事の次第を見届けて、コロを連れて帰っていきました。


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