イエローストーンの第一印象は、至る所から湯気が上がっているということです。

間欠泉

吹き上がるOld Faithful Geyser

小さな間欠泉

お湯を湛える池

温泉地帯

ここは、活発なマグマの活動が地表の直ぐ下にあって、あちこちから温泉がわき出ています。レンタカーで公園内を走っていると、湯気が立ち上っている場所が多数あります。日本も温泉が豊富な国土ですが、こういう景色はしばしば「地獄谷」というような名前が付いていると思います。中学校の修学旅行では伊達温泉の地獄谷を見た覚えがあります。イエローストーンはそれを遙か凌ぐ,巨大な規模の温泉地帯ということです。この素晴らしい自然の恵みを,アメリカ人はただ見て楽しむだけです。アメリカ人は元々温泉に入浴して楽しむという習慣がないのかも知れません。以前、アメリカに住んでいた時にオリンピック国立公園に出向いて、温泉に入りましたが,ぬるい温水プールのような感じでした。

これらの温泉は場所によって間欠泉となって、数時間ごとに派手に吹き上がります。私たちが2泊目の宿に選んだOld Faithful Innというロッジはイエローストーンで最も有名な間欠泉の前に建っています。宿の名前はその間欠泉の愛称Old Faithful Geyserにちなんでおり、忠義者(old faithful)は長年にわたり規則正しく吹き上げ続けているところから名づけられたそうです。

温泉を眺めて何が面白いのか、と思われるかも知れません。たしかに、間欠泉は見物です。Old Faithfulの場合はおおよそ90分おきに5分ほど30メートルほどの高さまでお湯を吹き上げます。予定時刻になると、周囲に人垣が出来るほどの人気です。

それ以外の様々な場所も噴き出すお湯が池を作り、池の奥底からブクブクと湯気が噴き出しています。規模の小さな間欠泉は至る所に見られます。地面の奥底で何かが起きていることを実感できるところが凄いです。そして、自然の力が作り出す風景が美しい。間欠泉から噴き出したお湯は地表を流れて,やがて川になって流れ下っていくわけですが、そう言う川の始まり、普通には泉と呼ばれるようなものが幾つも目の前にあって、それが地底から吹き出している情景を目撃できる訳です。さらには、温泉に生息しているバクテリアやらあるいは温泉に溶け込んでいるミネラルか、さらには美しく晴れ上がった空の色を映しているのか、とにかく噴き出したお湯が溜まって出来た池(池と呼びがたいほど大きな物を含めて)はたとえようもない美しい青い水を湛えているのです。お湯からはもうもうと湯気が上がっているために美しい青が見られるかどうかは多分に運と風向きに支配されているようで、本当にため息が出るような景色を画像として残すのは難しい。カレンダーや旅行のガイドなどの写真をどうやって撮るのか、きっと何か絡繰りがあるのだろうと思います。


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