iTunes Music Store Japan(2005-08-09)

突然始まったところがアップルらしい。これについては、今までも何度か言及している。

試しに、使ってみた。売り上げランキングで某歌手が意外なほど健闘しているのは、自分で買っているからではないのか?と思いつつ、私の記念すべき一曲目は、「涙そうそう」。森山良子さんのバージョンが一曲200円だった。

問題点は、はっきりしている。100万曲用意した、というが、網羅されていない。15レーベルでは実用にはほど遠い。将来、現在のレコードショップに置き換わることが出来るのか。今の段階では分からないが、網羅することが重要だ。ネット販売の気軽さと、面倒さがある。時間と場所に束縛されないこと。検索で必要な情報に簡単にたどり着くことは、ネットのメリットだろう。一方で、ウエブページや画像というインターフェイスは、レコードショップの棚から手にとって眺める柔軟性と情報量には到底太刀打ちできない。

一曲あたり、150〜200円という価格はどうだろう。米国では売れ筋ほど販売価格が下がる。それ故に、99セントの統一価格というメリットがレコード会社側にもあるのだろう。しかし、再販制度のある日本では通用しない。アルバム単位で考えると、市販のCと大差ない。つまみ食いで聴くなら、安上がりである。私はこのごろは全く利用していないが、レンタルではアルバム一枚が数百円程度らしい。借りたからには、MDやCD-R、そして、HDプレーヤーにコピーする。著作権者にとって大損害だ。音楽著作権協会がレンタルによるコピーを野放しにしている理由が全く分からない。一応、レンタル料金の40-50円程度が著作権協会に支払われるらしいが、CDの価格に比べると、はした金のような気がする。レンタルをライバルとみると、iTMSも厳しい競争となる。少なくとも、価格上は勝ち目がない。

網羅されているかどうか、に着目する。成り行きによっては、参加するレーベルが増えて来るだろう。それによって、アップルにどの程度の収入が見込めるのか分からないがおそらく、はした金だろう。アップルは、iPodを売って、儲ける。楽曲はそのためのエサだろう。問題は、他社製のプレーヤーと互換性がないこと。

この現状を考えると、自社製のプレーヤーを売りたいソニーが、即座にiTMSに参加するとは思えない。互換性のない、似たような商売が、系列ごとに行われたときのユーザーの立場は悲惨である。ことによると、三種類のプレーヤーを持ち歩かなくてはならないかもしれない。

ハード面のみならず、ソフトの面でも混乱が予想される。例えば、私が大阪から北海道へのフライトのチケットを探そうとしたとき、国内に航空会社が数社あり、その中から主要二社のウエブサイトを往ったり来たりして、見比べなくてはならない。たった二つでも、面倒この上ない。顧客のことを考えると、ウエブ上の空席照会や予約で相互乗り入れをするべきなのだが、何故かそうなっていない。音楽のオンライン販売でも、元売りレコード会社ごとにオンラインショップが出来るような、馬鹿げた事態が起こらない様に切に願っている。別に、iTMSでなくてもよい。むしろ、寡占は宜しくない。互換性のある方式で、複数のオンライン販売がサービスと価格を競うことが望ましい。