リンク集としてのはてなブックマーク(2007-01-06)

さらにもう一つのリンク集は、ソシャルブックマークだ。私も使っているはてなブックマークを前提に話を進める。概要は一月ほど前にまとめている。私のページにもいくつかブックマークが付いている。数万人のユーザーがデータベースに興味深いURLを登録するボランティアとして機能している。彼らは、発見した興味深いURLに自分のidを署名し、タグを付けて分類し、さらにブックマークコメントやブックマーク数という形でレイティング情報まで付加する。

ユーザーボランティアが構築した巨大なデータベースを、自由に使いこなすのがソシャルブックマークサービスの醍醐味である。

デフォルトで表示される「id:nantaraのブックマーク」というページに騙されてはいけない。ソシャルブックマークサービスはそんな単純なものではない。これはデータベース上のURL一覧からid:nantaraが登録したブックマークを抽出して時系列で並べたものである。タグ、ユーザーid、ブックマーク数、に加えてサーバーがオートマティックに加えるカテゴリー、キーワードの情報、ドメイン情報等を適宜組み合わせて駆使すると、無限の可能性をもった興味深いリンク集をカスタマイズできる。これは凄い。

ブックマークがいくつか付くだけで、ページにはそれに関連したリファラが相当数記録される。人々は揉め事が好きである。「炎上中」の火災を安全な場所に集まって眺めることを野次馬という。例えば、消防や警察の無線をpodcastで配信したり、消防隊員のヘルメットに小型カメラを仕込んで実況中継をストリーミングで流したりすればハイテク野次馬として人気を集めるであろう。野次馬のもう一つのやり方は、ソシャルブックマークサービスのデータベースの中から炎上中のURLを見つけ出すことであり、コンピュータプログラムの助けを借りれば比較的容易いのだ。アイディアとしては、ユーザーのレイティングを参考にするとか、タグの山からきな臭いものを探す。そして、いつも揉め事の中心や周囲に出没する感度の高い人のidでブックマークを括ってみるなどなど。

利用価値もあなた次第。そして、感度の高い人からブックマークされると、一過性(大抵は2−3日)ではあるが相当数のアクセスが集まる。このフレキシブルなリンク集にとって、ひとつひとつのブックマークエントリは網の目をひろげるためのノットとして機能する。これは凄い。アンテナなんて目じゃない。ブックマークの世界は無限に広がっている。