G4-400 PCIアップグレードの実際:その3 (2004-12-23)

マニュアル読み直し

前回からの続きとなる。CPUの交換は出来たものの、うんともすんとも言わないG4に、呆然としつつ、マニュアルを読み直したところからだ。あぁ、これはやばいなぁ、と思う。すっかりと酔いが覚めた雰囲気になり、原因を探ろうと思うが、頭が回っていない。ボード上にリセットボタンでもあるんだろうか、と眺めるが、該当するような物は見あたらない。マニュアルに頼るしかない、と、思い至り、改めて見直す。一応、見たつもりではいたのだ。

A4サイズ10枚、裏表印刷でホチキス止めのマニュアル。対応状況が一ページ目。

この辺はクリアしている。2ページ目。紛らわしい部分は見なかったことにして、G4-PCIに関する必要な部分だけを抜き出す。

ファームウエアが入っていないって訳だ。

インストーラが動かない

一からやり直しである。パッケージに付録していたチラシに、「重要注意事項」とある。それを見ると、どうも、必要のないボードなどは外しておいた方がよさそうである。折角装着したRADEON9200を取り外し、使う見込みのないSCSIカードと、先日取り付けたUSB2.0カードを外した。そして、CPUカードを元のCPUに装着し直した。

PMG4-400の内部

オリジナルのCPU

G4プロセッサを外したところ

ヒートシンクを外し、ZIFソケットから取り外したところ。

最初の苦難は、戻したはずの古いCPUから起動しなくなったことである。これは拙い。どこかを壊してしまったか?と思い、あちこちいじっているうちに、起動音が鳴った。どうやら、PRAMをクリアすると、この事態は回避できるらしい。PRAMクリアは、本来、「command+option+P+R」同時押しで起動させればよいが、起動できない場合は、マザーボード上のリセットボタンを押すと良いらしい。二つあるボタンうち、ケースのヒンジに近い側のボタンだと思う。(ただし、これをやると時刻の設定など、全てクリアされてしまうので、再設定が必要となる)

なんだかんだとやっているうちに、内蔵HDDを認識しなくなった。この時は血が凍り付く恐怖を味わった。そのうち元に戻ったのだが、原因は不明。G4は内蔵HDDが増設してあり、OS9.2.2は元々あった10GBのドライブに、OSXは増設した80GBのドライブ(パーティションが切ってある)にインストールしてある。

OS9から起動し、マニュアル通り、CDROMからインストーラを立ち上げ、イージーインストールを試みるが、途中で止まる。妙なダイアログ(のぺらぼう)を残してフリーズする。場合によっては、あたかもやっています、と言わんばかりのウインドウが開くが、ボタンクリックに全く反応しなくなる。いずれにしても、強制終了し、再起動が必要である。どうやら、インストーラが正常動作しないために、ファームウエアがアッップデートできないらしい。これを解決する必要がある。結局、一歩も進まず、しかしながら、ともかく原状を復旧したところで時間切れ。明日に持ち越すことにした。

参考資料

問題点は明らかになった。とにかく、ファームウエアをアップデートするためのソフトウエアをインストールしなくてはならない。資料を集める。

まず、ファームウエアとは何か?

私のマックに新しいCPUを認識させるために、書き換えが必要らしい。マックでは、Open firmwearを採用しており、部分的に書き換えることが出来る仕様であるとのこと。

マニュアルの2ページ目の記載に依ると、付属CDROMに、書き換えソフトのインストーラが入っているはずである。

その手順は、

  1. PowerMacをクラシックから起動する。
  2. CDROMからインストーラを立ち上げ、起動ドライブにインストールする。
  3. 指示に従い、一定の方法で再起動する。(ファームウエア書き換え)
  4. CPU交換

次に、Sonnet社のCPUアップグレードに関するいくつかのリンク。

奥底にあるトラブルシューティング。Sonnet社の正規代理店、TEG社のサイト。
http://www.tegjpn.net/CPUcard.htm
Sonnet社のサポートページhttp://www.sonnettech.com/jp/support/default.html
製品情報:http://www.sonnettech.com/jp/product/crescendo_zif.html
FAQ:http://www.sonnettech.com/jp/support/faqs/zif_faq.html
Crescendo/ZIFの製品サポート:http://www.sonnettech.com/jp/support/crescendozif/default.html
Crescendo用ソフトウエア最新バージョン(2.0.3):http://www.sonnettech.com/jp/downloads/proc_upgrds_sw.html#ce

CPUから立ち上がらなくなったときは、PRAMをリセットするとよい

毎回、Sonnetのテクニカルサポートに報告されたトラブルの中から、ピックアップして、その考えられる原因と回避方法をご紹介しています。今回は700MHz以上のハイエンドCrescendo/ZIF G4モデルをPower Mac G3 B&Wもしくは初代PCI Graphics Power Mac G4(ヨセミテ)にインストールした際に、マシンが起動しなくなった、スクリーンが真っ暗、起動音がしない、というトラブルについてです。

該当製品
Crescendo/ZIF G4 700MHz, 800MHzおよび 1.0GHz
該当対応機種
Power Macintosh G3 Blue & White. Power Mac G4 (PCI Graphics), Macintosh Server G4 (PCI Graphics)
症状 1
Crescendo/ZIFプロセッサカードをインストールしたが、電源ボタンを押しても起動しない。起動音もしないし、モニターにも何も映らず真っ暗なまま
考えられる原因
G3 Blue & Whiteと PCI Graphics G4は、どちらもCrescendoカードをインストールする前にAppleのブートROMにパッチを当てる、ソフトウエアパッチをインストールする必要があります。カードをインストールする前に、これをやっておかないと、コンピュータがCrescendoカードのプロセッサを認識しません。
回避策 1
Crescendo/ZIF プロセッサカードおよび付属のジャンパーブロックを(交換していたら)取り外し、元のプロセッサとジャンパーブロックに取り付け直して下さい。OS 9.x環境で起動し、付属のマニュアルの2ページ目の指示に従って、Crescendoカードの換装前に必要なソフトウエアをインストールします。もし、 Macintoshが元のプロセッサに戻してもうまく起動しない場合は、次の症状2を参照して下さい。
症状 2
元のプロセッサ、ジャンパーブロックに戻しても、マシンが起動しない。電源ボタンを押しても起動音がせず、スクリーンも真っ暗なまま。
考えられる原因
ハードウエアのインストールの前に、必要なソフトのインストールが完全に為されていない場合、その過程のなんらかのセッティングがPRAMに記憶されてしまい、そのため元のプロセッサでもうまく起動しないことがあります。
回避策 2
この場合は、まずPRAMをリセットし て下さい。PRAMをリセットするには、PRAMのバッテリーをロジックボードから抜き、その状態で1時間半から2時間ほど放置します。PRAMのバッテ リーは、ロジッックボード上にある唯一のバッテリーです。AAの電池と同じ太さで、半分くらいの長さのバッテリーを探して下さい。指定の時間置いたら、 バッテリーを元通りに装着し、その後、回避策1で紹介した手順で、ソフトのインストールを最初から正しく行い、その後ハードウエアのインストールに進んで 下さい。

Sonnet e-ニュースレター3月号より、抜粋引用

ちょっとした疑問点として、付属のCDROMに収められているソフトウエアのバージョンは2.1、ウエブ上の最新とされる物は、2.0.3となっており、バージョン表示からみると、CDロムのソフトが最新と言うことになるが、これについては何の情報も得られなかった。

システム入れ直し

ソフトウエアインストール終了画面

ソフトウエアインストール後のアラート。まだ安心は出来ない。

ファームウエア書き換え中画面

ファームウエア書き換え中。ここまで来ればもう安心。

ともかく、インストーラが正常に作動すれば、何とかなるのではないか、と、期待を持った反面、もし、インストーラが私のマックに対応していないと言う話になったら、一巻の終わり、と言うきわどい状況であった。何しろ、私のG4-400は、出荷開始直後に400MHzから350MHzにクロックダウンした、と云う、曰く付きのCPU(もっとも初期型の400MHz版)なのだ。何度かインストーラを立ち上げたが、完了せぬままフリーズ。ためしにOS9.2.1のシステムCDから起動してみる。インストーラCDは外付けのCD-ROMドライブに入れた。果たして、インストーラは作動した。しかし、結論から行くと、この方法でファームウエアのアップデートは出来ない。上記マニュアルにも、必要なソフトウエアが起動ディスク上のアクティブなシステムフォルダの中に自動的にインストールされるように設定されているとの記載がある。インストール先に内蔵HDDを選んだとしても、正常にソフトをインストールすることが出来ないようだ。現に、CPUを交換してみたが、起動しなかった。

インストーラが途中で止まってしまう原因は、おそらく、何かの機能拡張がコンフリクトしているのだろう、と言う結論に達した。クラシックアプリケーションのインストールなど、随分久しぶりで、色々なことを忘れている。とにかく、一度だけインストーラが動けばよいはずで、そのために、OSXがインストールしてあるボリュームに、OS9.2を新規インストールすることにした。所要時間、およそ20分ほど。必要な物は、HDDの空き容量とOS9.2.1のシステムインストールCDROMである。

新規インストールしたまっさらのOS9.2から再起動し、手順通りにインストールを行うと、案の定、無事にファームウエア書き換えプログラムのインストールが完了した(らしい)。画面には、次の操作を案内するアラートが出た。プログラマボタンを押しながら、再起動。2秒ほどブザーが鳴った後、ファームウエアの書き換え中を示すバーが現れ、無事にCPU交換の準備が整った(らしい)。

作業完了

インストール後

紫色がCrescendoZIF、赤いのがRADEON9200。お疲れさん。

改めて、CPUの交換作業に取りかかる。もう、手慣れたものである。とうとう、新しいCPUが働きだした。ほかに何か、手続きがあったような気がするが、もうそれどころではなく覚えていない。そういえば、マニュアルの指示通り、「Powered by Sonnet」のステッカーを貼り付けた。とりあえず女房に、無事動き出したことを報告。本当に無事に動いた。OS9.2で起動し、OSXに起動ディスクを切り替える。再起動したが、無事に動いた。一安心。いや、長い二日間だった。

引き続き、CDROMに入っていた、OSX用のソフトウエアを追加インストール。Sonnet X Tune-Up (1.2.8)とSonnetCasche。無事に動いている。やれやれ。外していた、RADEON9200とUSB2.0カードも装着したが、いずれも問題なく(?)作動している。

今までG4-400は重いソフトをインストールしていなかったので、いくつかのソフトウエアをインストールしたり、アップデータを入れるなどの追加作業を行った。

使い始めて、PowerBookG4-667との比較になるが、同じくらいかあるいは少々遅い、と言う印象である。システムプロファイラを見ると、CPU速度は勝っているものの、バス速度がPowerBookの133MHzに対して67MHzと遅い。また、搭載メモリも448MBと十分とはいえない。ATAが低速(ATA-3)であることなど、まだ幾らか改善の余地がある。近日中にATAカードとメモリを追加するつもり。あぁ。疲れた。