環境移行のタイミング(2006-03-21)

職場の同僚、年配のご婦人なのだが、パソコンが不調である。AGP graphic の古いPowerMacG4をClassicOSで使っている。バックアップ用に使っているMOドライブが認識されなくなった、という相談を受けたのが二ヶ月ほど前。みると、SCSI接続のドライブを使っていた。MOはバックアップメディアとしては低速、かつ脆弱でお薦めできないが、取りあえず、私が所有して全くと言っていいほど使っていない USB2.0接続のドライブを提供し、急場を凌いだ。

その後、パソコン内部から異音がすると思っていたら、起動時にカーソルがバクダンマークになったとのこと。どうやら内蔵HDDのトラブルらしい。バクダンマークには、私もかなり以前に何度か遭遇したことがある。大抵は、ドライブ関係のハードウエアのトラブルである。起動しないことにはバックアップもクソもないから、何とか起動させなくてはならない。何をやったか余り覚えていないけれども、OS9.2.1のシステムCD-ROMから起動し、DiskFirstAidで内蔵ドライブをチェックすると「問題なし」と出た。いろいろいじっていたら起動するようになったのだが、取りあえず、今のうちにバックアップを取った方がよい。それから、今使っているハードディスクは当てにならないから、内蔵HDDを更新した方がよいとアドバイスした。内蔵用のドライブとバックアップ用に外付けドライブがあると良い。両方手に入れると良いが、内蔵ドライブはケースを開けて作業しなくてはならない。作業自体はたいしたものではないけれど、私は責任を持てないから、取りあえずはデータのバックアップのために外付けのドライブの購入をアドバイス。起動ディスクとして選択可能なFirewire接続のドライブを買ったら良いでしょう。と、当たり障りのないアドバイス。

ご婦人は、マック用のハードディスクを購入するために近所の電機店に出向いた。きょうび、USB2.0とFirewireのデュアルインタフェイスのドライブはいくらでも売っているはずだが、店員もマックのことなどよく分からないから、Mac対応と書いてあるものを取り寄せることになり、しばらく時間が掛かった。

 手に入れたドライブをFirewireで接続してみたたが、認識されなかった。OSのバージョンが古い(9.0.4)せいかもしれないと思い、(よく覚えていないけれど、)9.2.1CD-ROMから起動させて、バックアップを取ったように思う。それから、内蔵HDDのシステムをOS9.2.1にアップグレード。結局、内蔵システムは9.2.1で、外付けFirewireを認識するようになったが、外付けの方は9.0.4のまま。外付けドライブから起動させて、内蔵ドライブを捨てる積もりだったのだが、内蔵ドライブのシステムから起動するようになったので、ご婦人は内蔵ドライブを使い続けている。

結局、ほとんど何も解決していないように思う。取りあえずバックアップを取って、システムが起動するようになったことで良しとする。今の状況では、外付けのドライブと、「風前の灯火」内蔵ドライブの同期が必要だが、バックアップソフトの話までするとややこしい。近い将来、クラシックOSが完全に捨て去られることは明らかであるから、来るべきクライシスに備えて古いいろいろなものを諦めて、棺桶OS(という言葉ももう死語だ)から脱却する必要がある。OSXの導入をアドバイスしたいところだが、恐らくメモリやCPUなどのハードを強化が必要だし、ユーザー自身が新しいOSの操作に慣れる必要がある。加えて、恐らくとてつもなく古いソフトをいくつか使っているはず。ハードル高杉。環境の移行まで面倒見切れない。これを機にOSXの導入という建設的な解決法までは踏み込めず。クラシック環境がサポートされている間に何とかした方が良いと思うが、無理だろうな。