ポスターセッションとポスター作り:2005-10-24

会議に参加してきた。地元の会議はどうも気が抜ける。

ポスターセッション

この時期恒例の会議で、プレゼンテーション。その準備に忙殺されていた。広大な展示場がついたてで仕切られており、発表者は短冊状に縦に区切られたついたての一角を原則自由に使って掲示物(ポスターと総称する)を画鋲で貼り付ける。丸一日掲示されるが、発表者は指定された時間(夕方の一時間)、ポスターの前で待機し、参加者と討論する。発表内容の概要は抄録としてあらかじめ提出してあり、会議参加者は抄録集の冊子を手に、興味を持った演題を探してついたての間の通路を歩き回る。こういった発表のやり方をポスターセッションという。かつて、会議は小さな部屋に分かれて口演が一般的だったが、今ではポスターセッションが主流となっており、口演による発表の機会はほとんど無い。口演とポスターはそれぞれにメリットデメリットがある。思いつくままに並べてみる。

ポスターのメリットは、参加者側の自由度が高いことである。口演では、発表時間に合わせてその会場に足を運ぶ必要がある。口演のスケジュールは座長がコントロールすることになっているが、しばしばずれ込む。同時に複数のセッションに参加することが出来ないため聞き逃すことが多い。ポスターは、朝から晩まで掲示してあるから、見逃す心配がない。次々と流れていくスライド口演に比べて、ポスターは全てのデータが晒されるから、じっくり見ることが出来る。また、口演者と参加者がポスター前で面と向かって話すことが出来る。口演会場で質問に立つのはなかなか勇気が要るし、スケジュールの都合上、質問内容、質問者の数も限られる。

発表者側には、人前で話すことが苦手なら大いにメリットがある。また、口演にはかなり念入りな準備が必要だが、ポスターは気楽である。口演の場合、横長のスライド数コマが発表のフォーマットとなる。持ち時間内で喋りきるという時間の制約もある。それに比べると、ポスターは自由度が高い。データを晒さなくてはならないことについては、特に競争相手を意識する必要があるとき一考の余地がある。

口演はデータの提示を口でアシストできるうえに、最初から最後まで通して聴く前提がある。会場に入って聴いていれば、おおよそ内容を把握できる。ポスターは見て、読んで理解しなくてはならない。参加者は前を通りかかって立ち止まり、ざっとみて内容を把握しようとする。興味を引かせて、出来るだけ安直に内容を把握させる必要があり、デザイン云々とは別に発表者のセンスが問われる。

ポスター作りメモ

ポスター作り、今後もあることなので、覚え書き。前回に続きパワーポイントで大判ポスターを作った。

さらに、私なりのコンセプト。(今回実現していたかどうかは度外視)

スライド口演が完全にPC利用に移行したのに比べ、ポスターセッションは混沌としている。大判ポスターによる掲示は全体の半数に満たない。さすがに、手書きポスターは無いが、スライド原稿と同様にパワーポイントで作製して、A4サイズのコマ割りポスターとしている人や、ワープロやドローソフトなど、様々なソフトでバラバラに出力し、台紙に貼り付けて画鋲で並べているものも多数。大判ポスターのメリットは、

一方でデメリットは、

フォトスライドがPCに置き換わった際、スライドを作る手間が劇的に軽減され、フルカラーになり、公演直前でも変更や修正が可能、しかも、液晶プロジェクタは主催者が用意してくれるという様々なメリットが低コストで得られた状況に比べると、大判ポスターの普及にはまだまだ時間が掛かりそう。というか、普及する前にもっと別のプレゼンテーション法が取り入れられるかもしれない。私は、メリットの方が大きいと思うから大判ポスターを使っているが、身近に使える大判プリンタがあるかどうかが普及のネックになっている。

会場で、以前勤めていた職場の知人と遭遇し、色々と近況や思い出話。彼はポスター作りにアドビイラストレーターを使っているが、職場に大判プリンタがないので、一枚一万円ほどのコストで外注している。また、業者はイラストレーターのファイルを喜ばないので、JPEGファイルに変換して渡しているとのこと。