リンクを管理する責任について(2004-03-05)

ウエブページは、テキストと、画像と、リンクで成り立っている。リンクは重要なコンテンツである。

散文を自由に書き記すなら別だが、何かの事柄に対する意見を書き並べるには、知識や情報が必要だし、そのソースを何処かに求めなくてはならない。意見交換や、情報提供のメディアとしてインターネットを活用する上で、リンクの自由は引用の自由と同様、極めて重要な原則である。

リンクには色々な形態がある

サイト内のリンクは、メタ要素として用意するにせよ、ボディ要素内でアンカーとして明示されるにせよ、閲覧者に有用な情報を与えるナビゲーションとして、管理人は注意を払わなくてはならない。

自分のサイト外へのリンクは、閲覧者に対して、より確かな補助的な情報を提供するものとして重要である。筆者の学習の成果を明示し、情報の理解に補助的な役割を果たす。また、記事の記載内容の信頼度を高める。

ウエブページの存在そのものが、他人に閲覧させることを前提とする以上、他サイトからのリンクを拒絶することは理屈に叶わない。従って、「道具としてのパソコン」を含む「おやこニュース」、及び、OYAKONEWS@Hatenaに対するあらゆるリンクは自由である。

リンクポリシー

リンクは自由であるという原則に従うと、リンクポリシーは不要であるように思えるが、現実に、リンクに制限を表明しているサイトが多数あることから、混乱を避けるために、「リンクは自由である」旨を明記することは意味がある。リンクや引用に大幅な制限を表明している新聞社などのサイト運営は、反社会的であるといわざるを得ない。

大手新聞社では、リンクは「原則的に自由」としながら、「トップページに」、また、リンクした旨の通知をお願いします(などと)書いてある。つまり、実質的にはリンクはご遠慮下さい、ということである。自サイトに対するリンクを拒絶している建前上、新聞社サイトは各々の記事に、外部のリソースに対するリンクを設置しないのが普通であるから、興味を持った記事に対して、より詳しい周辺情報を得ることが出来ない。朝日新聞では、個別の記事に自サイト内の関連リンクを「関連情報」として提供しているが、ただ羅列しただけで、ほとんど何の役に立たない。むしろ、大抵はどうしてそのリンクがあるのか、謎に包まれた、意味不明の間抜けなリンクである。新聞社サイトが詰まらない最大の原因はそこにある。

ヤフーニュースは、本来、検索サイトが巨大なリンク集であり、また、リンクの質が検索サイトの生命線であることから、新聞社サイトより遙かに有意義な情報を提供してくれる。

新聞社のリンク拒絶が商売上の理由であるならば、各社はウエブサイトの扱いを考え直すべきだろう。

ウエブサイトにとってのリンクとは

ウエブ作製者は、サイトの重要なコンテンツであるリンクの質を保証するよう努力するべきだ。リンクによるジャンプ自体が、ブラウザ画面に明示されているアンカーにカーソルを運び、クリック一発という、比較的安易な手続きにより達成されることから、ウエブページ上のリンクを辿ることにより閲覧者が得られる利益を、ページの作製者は保証する義務がある。

そのためには、ウエブページ全体が閲覧者に与える印象が重要で、閲覧者に安心感を与えるには、適切なナビゲーションが提供する必要がある。外部リンクに対する適切なナビゲーションとは、リンク先に対する必要かつ十分な説明を加えることで、ジャンプしたあとに閲覧者が置かれる状況を予測させることである。

一旦まとめるが、

  1. ウエブ管理人は、自分が作成し、WWWに置いているリソースに対するリンクを拒絶することが出来ない。
  2. リンクポリシーの記載がなければ、リンクは自由と表明しているのと同義である。
  3. リンクに制限を加えるようなポリシーは書くだけ無駄で、そのような記載は、結果的にウエブページの信頼を著しく損ねる。
  4. リンクポリシーは書くだけ無駄であるが、現実に制限を加えているサイトが多数あることから、「自由である」旨を書き添えることは意味がある。
  5. 管理人は、自分のサイト内、サイト外に必要十分なリンクを設定する義務がある。
  6. リンク先に関する情報を明示することは、閲覧者に対するナビゲーションとして重要である。

掲示板、Trackback、リファラー

自分のサイトから外部へのリンクを閲覧者に書き込むことを許す仕組みである。管理人は、自分のサイトに閲覧者が勝手なリンクを設定することを許可するかどうか、判断を迫られることになる。

リンク先のリソースと自分のページの関連性について保証することは、管理人の責任である。リンクが重要なコンテンツであるという認識上、私は、閲覧者に勝手なリンクを作ることを許すべきではないと考えている。