私は大学院生の頃にパソコンを使い始め、最も初期にロータス123と云うソフトウエアに出会った。違法コピーを不正に使っていたという苦い思い出でもあるが、スプレッドシートのソフトウエアの基本を学んだ。ナツメ社のマニュアル本を買って勉強し、簡単なマクロも自分で拵えて、極めて有意義に活用した。

当時はNEC98クローンをMS-DOSで使っていた。就職を機にMacに切り替えたとき、残念ながらロータス123はMacに対応していなかった。のちにMacバージョンが登場したと記憶しているが普及することはなく、今やこういった昔話に出てくるのみである。

エクセルの使い始めは94年に米国滞在中に手に入れたオフィスの英語版ver.4から。私は仕事のデータの集計で日本語を使う場面がほとんど無いので、下手に日本語に切り替わらない分、却って使い易かった。

このごろ、エクセルで作られたの馬鹿でかい表が添付されたメールがときどき届く。作った人の努力は認めるが、その努力の方向性の誤りを指摘してあげたい。巨大なスプレッドシートの中にごちゃごちゃと細かい文字が書いてある。私に関わる記述がどこにあるのか探す気が失せる。とりあえず、関係のない行や列を削除して見やすくしたいと思うが、大抵はほとんど無意味にセルが結合されていて、行・列の削除は拒否される。私はエクセルファイルを前に悶々とする。私が特殊なのかも知れないと思い至る。もしかすると、スプレッドシートを解読できる人と出来ない人がいて、出来ない私は特殊なケース、つまり病気なのかも知れない。(参考:ディスレクシア-Wikipedia

せめて、A4に収めてpdf化してくれればよい。そうすれば、私は印刷して自分に関係のあるところを探してマーカーで印を付けることだろう。いや、もしかすると、このまま印刷すれば良いのかも知れない。しかし、ウインドウズで作ったエクセルワークシートをMacで印刷する苦痛は経験した人にしか分からないだろう。毎度ウンザリさせられて私はエクセルを使うのが苦痛になった。どうせメールに添付するxls書類を作る人たちはウインドウズでやっている。もしかすると、ウインドウズバージョンで見渡せばもっと違って見えるのかも知れないと思い、私はウインドウズを立ち上げる環境を整備した。(少し増しに見えることに気がついた)

しかしながら、本来、私の仕事にエクセルは大変役に立つ。様々なデータを保存し集計した上で統計処理したり、グラフ化するのにエクセルをそれなりに使いこなしていた。集計や計算の方はともかく、エクセルのグラフ作成は専用ソフトと較べると余り褒められたものではないが、それでも代わるものがないし、必要に迫られやっていた。この2−3年のことと思うが、エクセルの目的外使用が一般化し、私はすっかりエクセル嫌いになり、データ処理が苦痛になった。

MacBookProにBootCampでビスタをインストールしてOffice 2007を準備し、iWorkにNumbersと云うスプレッドシートソフトウエアが追加され、いよいよ私はエクセルから解放されると思った。先日、久しぶりにデータをグラフ化する必要が生じ、Numbersを使ってみることにした。生データをスプレッドシートにテンキーを使って手入力し、それらの平均を取ってグラフ化する。XとYがともに変数となるので、散布図。合計16のデータ系列をひとつのグラフに重ね合わせる。

結論から言うと、グラフは出来なかった。私は途中でNumbersを諦め、エクセルを使った。Excelというお手本があるのだから、もう少し増しなものを期待していたが、Numbersの出来は悪い。とてもじゃないが仕事に使えるレベルではない。数値の入力の段階で、三度ほど怒鳴り声で悪態をついた。何が駄目なのか、表現するのはなかなか難しい。ただ、エクセルが偉大だと言うことなのかも知れない。使い方を十分に理解していない分を割り引いたにしても、直感で作業できるのがMacの売りではないか。

アップルから、Office2008 for Macの案内が届いている。iWorkにNumbersが登場して、私はもうオフィスのMacバージョンを手に入れる必要は無くなることを期待したが、そういう訳にはいかないようだ。Numbersは出来て間がない。バージョンを重ねるにつれて、実用レベルに達するのだろう。Keynoteがそうであったように。

ついでに、先日手に入れたテンキーパッド(BUFFALO BTKU02SVA)の評価も加えておく。入力機器に凝る筈の私がヤマダ電器の売り場で値段に釣られて購入した。安いので仕方がないというか、別にバッファローの悪口でなく、こういう入力機器は仕事に使うものだし、データを正確に打ち込んでいくのが目的で、打ち間違いは深刻だから慎重に選ぶべき。とにかくこのテンキーは大変使いにくい。何しろキータッチがグニャグニャだ。それから、キーストロークが深すぎて、押し込む時に上下のキーに干渉する。バックスペースやタブキーが付いているので使いやすそうとおもったが、=とClearが無いのは痛い。テンキーをブラインドタッチで使うのに、手のひらを筐体の角に当てて支点とする必要があるが、枠をそぎ落としたように斜めにカットしてあり当てる場所がない。

実は、私は既にひとつ、Macwayのテンキーを持っている。しばしばUSBハブの電力不足で動かなくなるので、新規購入に踏み切ったが、実はセルフパワーのハブの側に問題があった可能性が判明。やれやれ。

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