先月、所用で北海道の実家にちょっとだけ里帰りしたときに、姉の家でパソコンがトラブっているという話を聞いた。使っているパソコンはMacMiniで、OSのアップデートを実行していたら途中でプロセスが止まり、その後外付けのドライブが読めなくなったとのこと。ドライブには、iPhotoやiTunesなど、様々な重要なデータが収まっていたがバックアップは取っていないとのことだった。それはお困りだろう。大変だ。

帰省のスケジュールがタイトで余りゆっくりと相談に乗っていられなかった。とりあえず、ディスクユーティリティで修復しようと試みたが、出来なかったとのこと。データの復旧のため、ディスクウォーリアというソフトウエアを購入したが、手に入れたディスクで上手く起動しないためにメーカーとやり取りしているところだとのこと。うーん、これは深刻だ。年に一度、親戚で集まる。その時に撮影した画像などもあるわけで、これらのデータが失われることは我が家にも大いに影響がありそう。しかし、ありがちな出来事である。どうするか。

先ずは、慌てないことである。慌てて何かをすると、復旧がますます難しくなる。鷹揚に構え、気長に対処する決意を示す。何の解決にもならないが、こういった場合に「何もしないこと」は現状よりも更に事態が悪化することを回避出来るという意味で結構有効な対処法である。引き続き情報収集に努める。それから道具を揃える。その様なことをアドバイスした上で、先ずは新しいドライブを手に入れることをお勧めした。

こういったトラブルは私も何度か経験している。このディスクは読めません。フォーマットしますか?というようなことを尋ねられて慌てるのだが、これは大変だ。何とかしなくてはと、慌てて新しいドライブを買った途端に、やっぱり読めましたというオカルト的なオチが付くことは良くある。何かのはずみで、たまたま読めるようになることがある。読めるようになったからと言って安心してはいけない。調子の悪いドライブは信用してはダメだ。読めるうちに中身を新しいドライブに移してしまう。つまり、バックアップを取る。そのためには、何にせよ新しいドライブが必要。何となく雰囲気を変えるため、そして、もし何かのはずみでドライブにアクセスできるようになったときに、直ちに内容をバックアップするために、新しい外付けドライブは必須である。というか、それをやっていなかったために、今回こう言ったトラブルに陥っているわけだから、何はなくとも先ずはヤマダ電器でアイオーデータの一番安い外付けドライブを買ってくることをお勧めする。今は外付けのドライブはずいぶんと値段が下がっている。先ずはバックアップ用のドライブを買いなさい。話はそれからだ。

その様な話をした上で、OSを最新版にアップデートして、バックアップはタイムマシンに任せてしまうことを強くお勧めした。お勧めはしたが、先ずは読めなくなったデータを回復することが肝要で、新OSやタイムマシンの導入は現在の問題を解決するわけではないのが残念。私は旅行にMacBookProを持参していたから、時間的な余裕があればMacBookProに件の外付けドライブを繋いで雰囲気を変えたり、私の方が少しバージョンの新しいディスクユーティリティだから、何か解決する可能性はあったと思うが、何しろ時間がなかった。その後、大切なデータがどうなったのかは聞いていない。ディスクウォーリア−の広告を見ると、何でもうまく行きそうな錯覚に陥る。上手くいったのかも知れない。

家族の記録をデジタルカメラで残す家が多いと思う。我が家でも数年前から完全にデジタル化している。デジタル化して、ほとんど印画紙に焼かなくなった。居間に置いてあるiMacのiPhotoで眺める。デジタルデータの儚さについて、考えることがあり、バックアップには気を遣っているつもりだ。カメラには2GBのSDカードをメモリとして使っているが、撮影が終わったら外付けのドライブにコピーする。フォルダは撮影日で管理し、ファイル名を撮影日を反映させたものに修正する。(少々古いソフトだが、DiMAGE Viewerというソフトを使ってファイル名を一括修正する。次に外付けHDDからiPhotoに読み込む。iPhotoのライブラリはiMacの内蔵HDDに入っているので、iPhotoライブラリがとりあえずのバックアップとなる。iMacの内蔵ドライブは外付けのTimeMachineドライブに1時間ごとのバックアップ。これで、撮影した画像ファイルは三重にバックアップを取ったことになる。元になる外付けドライブのファイルをもう一つの外付けドライブにバックアップ。これはTriBackupというソフトを使って差分バックアップをとる。バックアップ先はバスパワーの2.5インチ外付けドライブだ。これでデジカメ画像に関しては4重のバックアップということになる。HDDのバックアップを取ったところで、カメラのSDカードはフォーマット可能ということになる。

以前は、SDカードをフォーマットする前にDVDに焼いていたのだが、私はどうにも光ディスクの管理が下手くそである。

解体したドライブ

帰省を終えて帰宅すると、我が家の完璧と思えるバックアップシステムにトラブルが発生した。突然タイムマシンがエラーを出した。タイムマシン用に設定しているドライブ(アイオー500GBのUSB外付け)が読めないというアラートを出した。このディスクは読めません。フォーマットしますか?

こういったトラブルは何時だって予告無しに突然訪れる。バックアップ用のドライブが読めなくなるというのは想定外だ。iMacの内蔵ドライブは先日変えたばかりでフレッシュだが、何が起こるか分からない。これは拙い。急いで何とかしなくては。随分前の話だが、システムを飛ばして友人のメールアドレスなどを全部失ってしまった苦い経験がある。TimeMachineの安心感が無くなると急に不安になる。バックアップを取らずにパソコンを使うのは、任意保険に入らずに車を運転するようなものである。その日は少し早めに職場を出て、三宮のパソコンパーツ店(ドスパラダイス)に立ち寄った。利用するのは初めてである。素晴らしい品揃えというほどではないが、バルクのドライブやパーツが手に入る。何より、三宮で仕事の帰りに立ち寄ることが出来るのがよい。そこで、ウエスタンデジタルの3.5インチSATAドライブを手に入れた。帰宅後、iMacの内蔵ドライブの交換のときに購入していたSATAドライブ用のケースに入れて、早速TimeMachineのバックアップを取り直そうと思って、驚いたというか、まぁよくありそうなことだが、新しいドライブを繋げた途端に、朝方もうダメのアラートを出していた外付けドライブが読めたりするわけでこれは何だかオカルトっぽい。ディスクユーティリティではやっぱり直せない何かが起きているというし、アラートも、とりあえず読めるが先ずはデータを救い出せというようなことを言う。この中には、おおよそ1年前からとり続けているiMacのTimeMachineバックアップデータが入っている。さて、これをどうするか。果たして1年前のバックアップが必要だろうか。仕事で使っているものならともかく、家庭で使うパソコンのバックアップは、とりあえず、直近のバックアップデータがひとつあれば事足りるように思う。調子の悪いバックアップデータをレスキューする前に、先ずは新規購入したドライブにiMacのフレッシュなバックアップを取ることが先決のような気がした。先ずはバックアップを取って、それから古いタイムマシンデータをレスキューするかどうか決めることにした。

バックアップは一晩の後に完了し、新たなTimeMachineバックアップが動作を始めた。旧TimeMachineドライブは一旦フォーマットし直して、データを全部消し去り、外付けドライブとして使途を考え直すことにした。タイムマシンは差分バックアップを取り続けるわけで、トラブルを起こしていると分かっているバックアップデータに依存するのは少々恐ろしい気がしたので、結局古いタイムマシンデータは捨て去ることにしたのだ。

さて、フォーマットし直して何に使おうかと考えていたアイオーデータの外付けドライブだが、結局ダメのようだ。ディスクユーティリティで検証できたり出来なかったり、そのうちに激しく発熱し始めた。もう諦めた方が良さそうだ。中身を開けてみたら、ウエスタンデジタル製!だった。バルクのドライブを買ってきて、ケースは再利用することにしよう。

分類
Mac 
URL
http://www.oyakonews.com/oyanews/homep/HP2009/HP090718.html